
『アルトローヴェ ふしぎな村の物語』のイラストレーター、モニカ・バレンゴに会いに、イタリア北東部トレンティーノ=アルト・アディジェ州から電車を乗り継いで、イタリア北西部ヴァッレ・ダオスタ州へ行ってきました。
今回宿泊地に選んだ小さな集落、ポン・サン・マルタンは、ピエモンテ州からヴァッレ・ダオスタ州に入る人々を迎える最初の村です。その素朴さと、古き物語を語る力にすっかり魅了されました。
この村の名の由来となった、紀元前1世紀に建設されたローマ時代の橋は、石造りのアーチを保ちながら、2000年以上も手を加えられることなくそこに存在し、今でも村人たちが行き来しています。
その橋のそばに一軒の小さな靴修理屋がありました。その職人技に見とれていると、おじさんが気づいてなかに呼んでくれ、いろいろお話をしてくれました。
訪れる人々をあたたかく迎え、その旅路を見守り続ける、そんな空気を感じる村でした。
モニカ・バレンゴに会う旅は、そこからさらにバスで行き、モンテ・ローザの麓へ。
凍った湖、深い静寂、忍耐と調和を物語る谷間。
この風景のなかで、モニカもきっと感じとったであろうインスピレーションを少し見つけられた気がします。


