
イベントレポートと並行して、『アルトローヴェ ふしぎな村の物語』の著者ミケーレ・カッペッタが語ってくれたことやイラストレーターのモニカ・バレンゴについても少しずつご紹介できたらと思います。
ミケーレへのインタビューの内容は訳者の森敦子さんがいっしょに考えてくださいました。
さっそくですが…
ミケーレ、『アルトローヴェ』はいったいどんなお話なんでしょう?
この本はアルトローヴェという、個性豊かな人びとが暮らす、ふしぎな村を舞台にした5つの短編から成っているんだ。
それぞれのお話は、村全体に関わる出来事だったり、ひとりの登場人物に焦点を当てたものだったりするんだけど、
どのお話にも共通するのは、問題を解決するにはコミュニティの持つ力が発揮されるということ。
例えば、村に人の背丈くらいの小さな竜巻がいっぱい発生したり(第2章「ミニ竜巻がふきあれる村」)、孤高の樹木コルテッチャに住んでいる、ネコ科の妖精ニンフェリーネに、村が謎の侵略を受けたり(第4章「妖精に侵略された村」)、ある日突然、村からすべての光が消えてしまったり(第5章「光をもたない人びとの村」)、そんな、まかふしぎなことが起こって、それを村人たちが助け合って解決していくんだ。
それぞれのお話には僕自身もじっくりと向き合いたいと思っていたテーマがあって、
それは「ひとりでいること」や「何もしない時間」の重要さ、「大切に思う人を押さえつけない」ということだったりするんだけど、こういうことって、僕の知る限りでは、児童書ではそれほど扱われていない気がする。
それから、物語をとおして「共感」のすばらしさについて、みんなと考えてみたいと思ったんだ。
この作品がデビュー作とのことだけど、この物語はどうやって誕生したの?
じつを言うと、僕が最初に書いたのは、この本の最後に収められている「光をもたない人びとの村」なんだよ。しかも今から15年も前に。
2011年に「物語を創作する」というコースをオンラインで受講していたときに、「五感のうち、視覚以外の4つの感覚を使う条件で物語を書く」という課題が出されて、そのときに作り出したお話なんだ。
それから11年間は数回コンクールに出してみたり、少しだけ手直しをしてみたりしたけど、特に何も起こらなかった。
2022年に同僚がEdizioni Piuma(エディツィオーニ・ピューマ 本書の原作出版社)の創設者で編集長のフランチェスカに見せてみたら?と勧めてくれて、彼女に読んでもらったんだ。
そうしたらこのお話をとても気に入ってくれて、「アルトローヴェの世界に入り込んで、ほかにもお話を書いてみなさい」って。
僕はそれから2か月間でこの本に入っているほかの4つのお話を書いて、1冊の本『アルトローヴェ ふしぎな村の物語』が生まれたんだ。
だからこの物語の誕生には「2か月かかった」って言うべきか「11年と2か月」と言うべきか僕にもわかんないんだよ。
次回は主人公がいない物語『アルトローヴェ』の登場人物について語ってくれたことなどを載せたいと思います。
